半自動化システム

半自動化システムでは、Warehouse Builderユーザーには事前定義済のファンクション・モジュールRFC_ABAP_INSTALL_AND_RUNに対するアクセス権限がないため、このファンクション・モジュールを使用してABAPレポートを実行できません。そのかわりとして、ユーザーは抽出マッピングを作成して配布し、ABAPレポートをSAP管理者に送信する必要があります。SAP管理者はSAPシステム上で実行できるようにコードの検証を行います。

半自動化システムの仕組みは次のとおりです。

ユーザーは抽出マッピングを設計し、このマッピングのABAPレポートを生成します。

次に、ユーザーはこのレポートを開発環境でテストできます。
ABAPレポートをSAP管理者に送信します。SAP管理者はレポートをテストし、本番環境のSAPリポジトリにロードします。
SAP管理者は新規レポートを作成するか、またはユーザーが送信したレポートを使用します。
SAP管理者が新規レポートを作成する場合は、新規レポートの名前を取得し、マッピングでこれを使用して、本番環境からデータを抽出します。
本番環境でマッピングを実行する前に、マッピングに関して次の構成プロパティを設定してください。
- ABAPレポート名: SAP管理者が、コードを確認した後にABAPレポート名を指定します。ユーザーはこれを使用してデータを抽出します。
- SAPのロケーション: データの抽出元になるSAPシステムのロケーション。
- データファイル名: ABAPレポートの実行中に生成されたデータを格納するデータファイルの名前。
また、SAPロケーションに関する次のような接続の詳細も追加で指定してください。
- 実行ファンクション・モジュール: SAP管理者によって作成されたカスタム・ファンクション・モジュールの名前を指定します。このファンクション・モジュールは、実行時にパラメータとしてABAPレポート名を受け取り、ABAPコードを実行します。ユーザーはSAP管理者からファンクション・モジュール名を入手する必要があります。
- FTPディレクトリ: SAPシステム上のディレクトリ。ABAPレポートの実行で生成されるデータファイルはこのディレクトリに保存されます。Warehouse BuilderがFTPを使用してデータファイルをインポートします。FTPサーバーがSAPシステムにあることに注意してください。
- FTPディレクトリの読取り権限を持つユーザー名も指定します。
本番環境でマッピングを実行すると、Warehouse Builderにより、リモート・ファンクション・コール（RFC）を使用して、ABAPレポート名とカスタム・ファンクション・モジュールがSAPシステムに送信されます。
SAPシステムでは、ABAPレポートが実行されてデータファイルが生成されます。ABAPレポートが実行されるのは、ABAPレポート名とファンクション・モジュールが使用可能な場合のみです。

「ステージング・ファイル・ディレクトリ」に指定されたロケーションにデータファイルが格納されます。
Warehouse BuilderはFTPを使用してデータファイルをインポートします。FTPサーバーをSAPサーバー上に用意しておく必要があります。
Warehouse BuilderはSQL*Loaderを使用して、データファイルからターゲット表にデータをロードします。