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Warehouse Builderユーザーは、SAPシステムからデータをインポートしようとする際に、ある制約を認識する必要があります。
SAPシステムとOracle Warehouse Builderシステムはまったく別個のシステムであるため、Warehouse Builderユーザーは、SAPデータに対して限定的なアクセス権限しか持たない場合があります(特に本番環境の場合)。したがって、ユーザーがシステムからデータを抽出するには、SAP管理者とやり取りする必要があります。
SAPシステムに対するアクセス権限は、多くの場合、システム環境(開発、テストまたは本番)に基づいて決定されます。SAPシステム管理者によって付与された権限に基づき、当該のデータ取得方式のそれぞれを、開発、テストまたは本番環境に実装できます。
開発環境
開発環境では、SAP管理者は通常、事前定義済ファンクション・モジュールRFC_ABAP_INSTALL_AND_RUNを使用するためのアクセス権限をユーザーに与えます。このため、開発環境では、データ取得のための完全な「自動化システム」を実装できます。
テスト環境および本番環境
テスト環境および本番環境の場合、定義済ファンクション・モジュールRFC_ABAP_INSTALL_AND_RUNを使用するためのアクセス権限は、SAP管理者からユーザーには通常は与えられません。そのかわりに、SAP管理者が、ABAPレポートを確認してユーザーが使用可能なカスタマイズしたファンクション・モジュールを作成するか、SAPシステム上でABAPレポートを実行して結果データをユーザーが抽出できるようにします。これにより、ユーザーはデータ取得の半自動化システムまたは手動システムを実装できます。
したがって、標準的なデータ取得システムは、それぞれの環境に実装された3つの方式のいずれかで構成されています。
シナリオ1
SAP開発環境で自動システムを実行します。この環境でABAPレポートを検証した後で、ABAPレポートをSAPテスト環境に移し、カスタマイズ・ファンクション・モジュールを使用してテストします。最後に、これをSAP本番環境に移します。
データ取得タスクの自動化および簡素化のため、Oracleはこの実装方式をお薦めしています。
シナリオ2
開発、テストおよび本番環境に対するユーザーのアクセス権限に対応するデータ取得方式を、それぞれの環境で実装します。
次の各項では、SAPシステムからのデータの取得に関するタスクの詳細を説明します。